Financial Academia

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日本人の金融リテラシー

 

今日は、ロンドンの証券会社で数十年ファンドマネージャーをしていた方とお話しできる貴重な機会がありました。

 

 

 

ロンドンとは、私が携わる「金融」の世界の中心と言っても過言ではありません。そこには日本には存在しないノウハウや人材、環境が揃っています。個人的には、職場としては憧れの場所です。笑

 

 

 

 

 

今日お話しを聞いて、やはり感じたことは

 

 

 

 

 

「日本国全体としても、国民一人ひとりにしても、金融知識が低すぎる」

 

 

 

 

ということ。

 

 

 

 

私もこれに関しては、金融機関に勤めていた頃からとても危惧していて、海外と日本との感覚の違いは分かっていました。しかし、やはり現地に数十年いた人からの言葉は重みが違いました。本当に、直接的な言葉を使えば、日本人はバカすぎます。資産を銀行預金や現金で保有したり、無駄な生命保険に入ったり、年金の運用をしていなかったり、なぜそれらを考えることができないのか、本当に残念な気持ちになります。

 

 

 

 

まず企業レベルで見ても、日本人ファンドマネージャーと海外ファンドマネージャーとでは雲泥の違いがあるそうです。その歴史に裏付けされたノウハウやシステム、情報の流通性が日本とは全く違う。日本人の運用者が海外の運用者に戦いを挑むことは、大砲に弓矢で対抗するようなものだと、そう言っていました。ちなみに、当時その方が課されていた年間のリターンは15%。毎月数字を管理され、2ヶ月連続マイナスを出すとイエローカード、3ヶ月連続マイナスだと・・・覚悟を決めなければならなかったそうです。このシビアな環境こそ、海外ファンドが利益を出し続けている理由でもあります。

 

 

 

 

 

個人レベルにしても、同様でした。上記にも、先日の記事にも記載した通り、日本人は何も考えずに銀行に日本円でお金を貯め続け、そして無駄な生命保険に入って安心した気持ちになり、年金のシステムが事実上崩壊しているにもかかわらず「何とかなるだろう」と多くの若者が考えている。資産運用なんて考えなくても、自分の将来は国や企業が何とかしてくれると思っている。

 

 

 

 

 

海外では、少なくともロンドンではこんな甘い考えは絶対にありえないそうです。

 

 

 

 

国の年金こそあるものの、基本保障部分は日本のそれと比べ非常に薄く、将来的な受取額は「自己の運用により決まる」そうです。日本の確定拠出年金のような仕組みですね。だから、資産運用は人々の生活に密接に関係していて、それを考える機会も、学校教育も含めて非常に多いそうです。

 

 

 

 

もちろん、日本もロンドンを見習いそうするべきだと私は思いますが、先日の記事で書いた通り、そうできない理由が日本政府にはあります。

 

 

 

 

 

「日本人は金融知識がない、バカだ」と、強めに言いましたが、普通に考えて日本人ほど賢い民族は世界的に見てもそういません。日本人の真面目さ、勤勉さ、そして能力は、これまでの日本の国力に裏付けられています。

 

 

 

 

要は、情報操作されているのです。私たち日本人は賢いからこそ、事実をすべて知ってしまえば、資産を外に逃がします。すると日本政府が困るのです。だから、情報を公開してくれませんし、投資教育の機会も与えてくれないのです。

 

 

 

 

 

繰り返しになりますが、これは本当に私たちにとって大切なことなのです。最近始まったマイナンバー制度だって、国にお金が残っていなくて、個人資産から余すところなく税金を徴収したいだけです。医療費だって絶対今後上がるし、年金支給年齢だって、どんどん遅くなるのは間違いありません。1000兆円借金がある国が、現状のまま、まともに将来にわたって運営できるわけがないのは、普通に考えればわかることです。全部、つながっています。

 

 

 

 

この事実から目を背けず、しっかりと自分の頭で考えることが大切だなと、そう再認識できた一日でした。