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日銀マイナス金利 日本株は買い?

 

このブログの前回と前々回でも書きました通り、2016年1月29日に、日本銀行マイナス金利の導入を決定しました。

 

 

 

 

前回のブログでは、このマイナス金利が私たちの私生活にとってプラスになることを説明しました。今回は、私も含む個人投資家」の皆さんにとって、この政策をどう捉えていきけば良いのかをお話ししていきます。

 

 

 

 

 

結論から言うと、下落は限定的であるが、上値も重い。中期的にはジリジリと上昇するような相場になるだろう、と思っています。

 

 

 

 

 

まず、前提として、今回の日銀のマイナス金利導入は

 

 

 

 

「市場参加者にはとても複雑に捉えられている」

 

 

 

 

という事実は押さえておきましょう。これは私個人の意見ではなく、市場の声です。なぜそう言い切れるかといえば、日銀のマイナス金利発表後の株価や為替の相場の動きを見れば、それが証明されます。

 

 

 

 

発表直後、日経平均株価は約800円、値を上げました。しかし、その直後、あっと言う間に今度は1000円近く下落し、その後反発。最終的にはプラス500円弱で取引を終えました。

 

 

 

 

29日の日経平均は、「思いっきり上げて、思いっきり下げて、そして反発」

というとても複雑な値動きをしたのです。まさに、市場参加者の思いが交錯していることを示しています。このマイナス金利発表を受けて、「買ったらいいのか、売ったら良いのか」プロでもわからなかった、ということです。

 

 

 

 

マイナス金利は、史上例にないインパクトのある措置です。ですから相場が大きく動いた、という背景も事実としてあります。しかし、欧米を中心として、日銀の今回の措置に対しての見方は非常に懐疑的です。それは「材料を使い果たした」と見なされているからです。

 

 

 

 

日銀は量的・質的・金利という全てのカードを今回で使ってしまいました。今後、大きなカードを切ることはできません。よって、基本的には

 

 

 

 

 

「株価が上昇する方向のサプライズ(=急上昇)はない」

 

 

 

 

というのが基本的スタンスとなるでしょう。

 

 

 

 

じゃあ株価は下がるのか?と言われればそれもノーです。年間800兆円のマネタリーベース拡大という、従来からの量的・質的緩和も継続していくことが今回決定されています。年金機構(GPIF)だって、株価等のリスク資産の運用比率を拡大して年金の運用をしています。これだけの施策を行っている中で、16000円を大幅に下回る水準まで株価が下がることは考えにくいです。なぜ16000円かといえば、日銀の黒田総裁が行った施策の中で最も効果が大きいとされる「Wバズーカ(量的緩和とGPIF運用方針変更)」以前の相場が、14000円~16000円だったからです。Wバズーカ発表で株価を買い増しした人や企業が、その株を手放すほどの材料は、現地点では出ていませんし、むしろ今回のマイナス金利導入でプラス要因がでました。ですのでWバズーカ以前の相場の高値である16000円というラインは、意識しておくべきなのです。

 

 

 

 

世界市場からは、前述の通り「カードを全部切ってしまった」という悲観的な見方もありますが、プラスの力が弱いだけで、株価にとってマイナスではありません。

 

 

 

 

 

なので、16000円という下値は警戒するべきものの、穏やかに上昇していくものだと思っています。

 

 

 

 

こういう時には、オプション取引がおススメです。通常現物株や先物取引だと、「買った地点から見て株価が上がるか下がるか」という判断基準になってしまいますが、オプションは違います。「この水準まで株価はこないだろう」という幅で取引をすることができます。

 

 

 

 

今後はボラが狭まり、多少の上下はあるものの緩やかに上昇に転じていくと思うので、上でも下でも、一定の幅を取りに行くことができますね。個人的には、日銀もこれ以上切れるカードがないことを考えると、コールポジションで売りを持っておくことが適切かなと思っています。

 

 

 

 

皆さんもぜひ、このような一大イベントの際は、少額でも良いので取引してみてください。