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<要注意>確定拠出年金の運用結果が悪い(損失が出ている)方へ 運用方法の例

目次

 

さて、前回では、「確定拠出年金の運用における注意事項」について触れました。

<要注意>確定拠出年金(401k)の運用結果が悪い(損失が出ている)方へ - Financial Academia

 

 

今回は、「じゃあどうやって運用すればいいのか」という具体的な部分についてお話しします。

 

1)確定拠出年金(401lk)を選ぶポイント

まず、確定拠出年金の運用とは、「複数の投資信託を買うこと」と同義になります。様々なファンドの中から、自分の年金作りのための、信頼できるファンドを買い付けます。

 

一般の投資信託を購入する時も同様ですが、必ず確認しなければならないのは、

 

 

株式と債券の比率

 

 

です。これは非常に重要なことなのですが、理解できている人があまりいません。まず、株式と債券について、しっかりと理解しましょう。

 

 

 2)株式の特徴

リスク・・・中~大

 

日本株でも海外株でも同様ですが、株式の価格変動リスクは非常に大きく、「年金」のような確実性を求められる運用には一般的には適しません。大きく儲かることももちろんありますが、その逆も考えられるからです。しかし、これは短期~中期のトレードの話。株式投資は長期で行えば行うほど、そのリターンは安定するという統計データが出ており、確定拠出年金のような長期の運用で毎月株式を買い積む(ドルコスト平均法)手法は効果的です。あとは、「どこの株式に注力するか?」の問題です。どこの国の株が上がるか、どの業界の株が上がるかは、予想はできても、結局のところその将来は誰にも分かりません。ですから、基本的には「世界株バランスファンド」のような、先進国、新興国の株式に上手に分散し、世界経済に連動するようなファンドを買うことが望ましいでしょう。他の観点では、例えば「業界」に目を付けることは効果的だと思われます。特に、「バイオ業界」、「ヘルスケア業界」、「ロボット業界」等は今後大きな発展が見込めますので、その分野に絞って株式運用を行うファンドは利益が狙えるでしょう。基本的にはドルコスト平均で積立運用していくので、延々と右肩下がりの相場にさえ投資しなけれは、大きな損失を被ることはありません。

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3)債券の特徴

リスク・・・低

 

債券は株式と比較し安定性が高く、「年金」のような安全資産を作るためには適した金融商品です。債券のリスクには、「価格変動リスク」と「国のデフォルトリスク」があります。

 

景気が悪くなると、株式などのハイリスクな金融商品ではなく、債券のような安定的な商品にマネーが集まり、債券の価格が上がります。逆に、景気が良いときは、債券よりリターンの高い株や不動産にマネーが動くので、債券は売られ、価格は下がります。しかし、債券は満期まで所有すれば、債券価格がどう変動しようと、購入時の額面価格で償還される仕組みになっています(ちょっと難しいですね)。価格変動のリスクがあるのは、「期の途中で売却するとき」だけです。

 

次に国のデフォルトリスクですが、国(特に先進国や勢いのある新興国)が破綻し国債の利払いができなくなる事態は非常に低いと言えます。少なくとも、株式投資等と比べれば、圧倒的にローリスクだと言えるでしょう。大切なのは「どこの国の債券を買うか?」ということです。もちろん、ギリシャやイタリア、スペインのような、国としての体力が弱い債券は買ってはいけません。経済が堅調に推移しているアメリカや、オーストラリア、カナダのような資源国、ヨーロッパ圏内でトップを走るドイツやイギリスの債券を中心としていくと良いでしょう(※外債については為替リスクもあります)。国が存続する限り、決められた満期日に投資した元本が償還されます。リターンは低いですが、リスクも低いので安定的な運用が可能です。

 

 参考)各国の債券の特徴
A)米国国債

米国国債は、そのデフォルトリスクの低さの割に利回りが取れます。2016年2月現在、10年債の利回りは約1.65%です。ただし、昨年末にFRBが政策金利を0.25%利上げし、今後も緩やかに利上げを行っていく事が想定されます。仮に計画通り金利が上がれば債券価格は下がるので、時価評価の下落が心配されます。

B)オーストラリア国債

オーストラリア国債もまた、利回りが高いことで有名です。2016年2月現在、10年債の利回りは約2.5%となっています。オーストラリアは2050年までに人口が現在の40%増加すると見込まれております(国連レポートより)。

 

C)新興国国債

全体のポートフォリオの10%程度であれば、新興国国債で運用するのは面白いと思います。理由は、その利回りにあります。例えばブラジル国債であれば、2016年2月現在、10年債で約16%もの利回りがあります。フィリピン国債も、同様に10%を超える利回りがあります。

 

 

これらの国の債券を中心に買っていくと良いと思います。ただし、前回の記事にも書きましたが、これはあくまで「現地点における選択」になります。今後の経済情勢や地政学的な要因によっては、この運用戦略は変わります。定期的な見直し(スイッチング)が必要となることは、頭に入れておいてください。

 

 

 

 債券と株式のそれぞれの考え方について、ご理解いただけたでしょうか?詳細に言えば、株と債券以外にも、金などの貴金属、原油などのエネルギー分野、不動産投資信託であるREITなどが他にあります。ここでは詳細の説明は省きますが、描くシナリオによっては、これらの資産もポートフォリオに組み入れことも良いでしょう。

 

 

もちろん、どちらか一方のみを選択するというわけではなく、これらの「組み合わせ比率」が重要です。株式の比率が大きくなれば、そのポートフォリオのリスクは大きくなり、債券の比率が大きくなれば、そのポートフォリオのリスクは小さくなります。確定拠出年金は、老後のための重要な資産を準備するものです。リスクを多く取るべき運用ではありません。よって、債券の運用比率を上げていくことが重要になります。株式に関しては、全体のポートフォリオに対する比率を30%ほどに抑えて、かつ世界株式に分散するファンドを選ぶべきでしょう。

 

 

以上、確定拠出年金の運用手法の考え方と、運用手法の一例となります。これは、確定拠出年金だけでなく、通常の投資信託(ファンド)を購入する時にも同様に使える知識です。ぜひ、読者の皆さんも、目標に合わせた正しい運用をしていただければと思っています。

 

~編集後記~

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