住宅ローンの変動金利を簡単に固定金利に変更する裏技(国債カラ売り)
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当サイトでも記載している通り、日銀のマイナス金利導入を受けて、今後のローン金利は下落していくことが予測されます。既に変動金利では0.6~0.7%まで住宅ローンは下落をしており、固定金利でも約1.0%と、歴史的低金利となっています。不動産ローンでは2~3%の変動金利で借り入れを行っている場合が多いかと思います。
現在が歴史的な低金利水準であることを認識しよう
今後、日銀がさらなるマイナス金利を導入するかは誰にも分かりません。もし仮に、さらに大きなマイナス金利を導入すれば、それに伴い住宅ローンや投資用不動産ローンの金利も低下するでしょう。
しかし、上記の通り、既にローン金利は歴史的低水準。政策金利がマイナスになることがあっても、ローン金利がマイナスになることはあり得ません。歴史的な低金利水準になっている今、今後の下がり幅は極めて限定的であるということです。金利の下落余地がないのであれば、固定金利に変えた方が、基本的には良いんですよね。
固定金利に変えたいんだけど、銀行から断られて・・・
ただ、様々な理由で固定金利に変更することができない人がいると思います。職を変えたばかりで銀行からの信用がない人、ローン残高が1000万円を切っていて、固定金利に変えると手数料倒れしてしまう人、主にこの2つでしょうか。結論から言うと、大丈夫です。どんな人でも、今後の金利上昇リスクに対応できる方法があります。すなわち、実質的に「固定金利」に変更できるのです。
発送の転換で金利を固定する
その手法とは、金融商品を活用したヘッジです。皆さんは、「金利が上昇する=返済額が増える」という環境下にあると思います。それが、変動金利ですね。このリスクをヘッジするためには、何をしたら良いか?
答えは「金利が上昇する=収益を得る」という性質を持つ金融商品に投資をすれば良いのです。さて、この金融商品何でしょうか?
国債先物のカラ売り!?
正解は、国債です。国債の価格は、金利と逆の動きをします。金利が上がれば国債の債券価格は下落し、逆に金利が下がれば、国債の債券価格は上昇します。
「え?さっき『金利が上昇する=収益を得る』性質を持つものに投資しろって言ったじゃん。国債は、『金利が上昇する=価格下落』だからダメじゃん。」
はい、その通りです。国債を「買って」はいけません。国債を「売る」のです。このように、実際に国債を持っていないにもかかわらず、売りからエントリーすることを「空売り」と呼びます。国債の先物では、これが可能なのです。
これを行うことにより、金利の上昇局面では変動金利が上昇し、毎月の支払額は増えますが、国債の価格下落により利益を得ることができ、結果としてリスクは相殺されます。金利の上昇によるリスクを、完全にゼロにすることが可能なのです。これは、本来銀行等の機関投資家が行っていること(※)です。しっかりと内容を理解することで、個人レベルでも行うことができるのですね。
※厳密にいえば、銀行は国債先物を売るのではなく、金利スワップ(金利の取引)でこの変動金利のリスクをヘッジしています。個人の取引では、金利スワップ取引は現状できません。その代替として、国債先物を採用しました。
実際にこの方法で変動金利のリスクをヘッジする場合、重要なのはその「量(いくら分の国債先物を売るのか)」になります。量を間違えると、必要なヘッジができなかったり、その逆に過度なヘッジをかけてしまうことになります。この「量」の設定については、また別記事にて説明しますので、ぜひ楽しみにしていてください。