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日経平均とドル円の相関性 同じ(違う)動きをする理由は?

日経平均株価とドル円の値動きは、非常に強い相関性を持っています。ドル円が下落すれば、日経平均も下がり、ドル円が上昇すれば、日経平均も上昇していきます。

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▷なぜ正の相関性を持っているのか?

このような相関性が日経平均とドル円に見られるのはなぜか?それは、日本企業の特性が影響しています。日本のGDPにおける製造業の割合は2割弱であり、日本の基幹産業です。有名どころでは、トヨタ自動車などですね。それらの企業の特徴は、「売り上げに占める輸出商品(外貨建ての資産)の割合が高いこと」です。

 

 

ドル円が上昇すれば(円安になれば)、海外から見た時の日本の商品や割安になりますから、日本製品が売れやすくなります。日本製品が売れれば、日系企業の業績が向上するため、株が買われやすくなります。反対に、ドル円が下落すれば(円高になれば)、海外から見た日本の商品は割高になりますから、日本製品が買われにくくなります。仮に現地通貨ベースで値段を据え置いて販売したとしても、円換算の利益額が減少します。よって、株が売られやすくなります。

 

 

このような仕組みがあって、ドル円と日経平均の相関性が形成されているわけです。

 

 

▷相関性が崩れる時はあるの?

はい、あります。この相関性は100%見られるものではなく、時には日経平均とドル円は逆の動きをします。これを業界用語で「Discoupling(ディスカップリング)」と呼びます。

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▷なぜ相関性が崩れるのか?

あくまでもドル円の為替レートの影響を受けるのは製造業など、海外における売上比率が高い企業です。その他のサービス業や金融業、不動産業などは比較的相関性が弱い分野です。ですから、そういった業種内での特殊要因があった場合は、日経平均とドル円の相関性とは無関係にそれぞれの相場が動きます。

 

ちなみに、Discouplingが発生する原因をリアルタイムで突き止めることは、非常に困難を極めます。ヘッジファンドのトレーダー等では、このDiscouplingを使った裁定取引(アービトラージ)を専門に行っている人がいるほどです。本日2016年3月17日も、午前中に大きくドル円が下落したにも関わらず、日経平均は大きく上昇しました。逆相関となったわけです。しかし、午後になって、日経平均はドル円につられて大きく下落しました。本日の朝の地点で、このDiscouplingに気付き、そしてドル円が先行、日経平均が遅行していると判断できた人は、たった数時間で大きく利益を上げることができたでしょう。

 

 

他にも相関性(または逆相関)を持つ項目はたくさんあります。原油相場とNYダウ、国債と日経平均、世界経済と金相場、EUR/USDと米独国債利回りスプレッド、独伊国債スプレッドとヨーロッパ経済など、何度が低いものから高いものまで、挙げればキリがありません。

 

 

みなさんもぜひ、こういった項目を意識してトレードしてみてください。継続すると、いつか大きな利益が狙えるチャンスだと思います。ちなみに、2016年3月16日16時30分現在、ドル円とのDiscouplingが観測されているため、日経平均先物は非常に売り時だと思っています。

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