伊勢志摩にアマンリゾート「アマネム」―その評価は?
5月後半に予定されている伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)。その開催地である三重県伊勢志摩において、観光産業が急成長しています。
伊勢志摩サミットに向けて、志摩市は観光客誘致に躍起になっており、サミットの記念アクセサリー、タオル、そして道路の一部までサミット仕様に変更しているほどです。市の努力もあり、伊勢神宮を訪れる外国人観光客は前年比で5割増えました。しかし、その中でも最も注目すべき動きが、世界的に有名な「アマンリゾート」が伊勢志摩にオープンした高級ホテル「アマネム」でしょう。アマンのホテルの日本展開は、東京の「アマン東京」に続き2店舗目となります。
高級リゾートホテル「アマネム」とは?
東南アジアを中心に、20カ国で高級ホテルを展開するアマンリゾートが手掛ける高級ホテルです。アマンリゾートは1988年にインドネシアにて設立されたホテルチェーンであり、部屋数を抑えた贅沢で小規模な作りが特徴です。
アマネムは何がスゴイ?
1)スパ(温泉)
アマネムが最も力を入れているのが、この「スパ」事業です。20ヵ国で高級ホテルを展開するアマンリゾートにおいて、スパを取り入れたのはこのアマネムが初となります。メインとなるのは「サーマルスプリング」と呼ばれる温泉で、欧米の顧客層も考慮し、水着を着て入るタイプとなります。
2)エクステリア
ホテルの外観を観れば一目瞭然ですが、日本の古民家をモチーフにしています。日本文化を体感し、日本式での最高水準の時間を味わうことができます。
3)敷地面積
東京ドーム5倍の敷地面積に広がる広大なリゾートです。
4)絶景
部屋からは英虞湾(あごわん)が広がる絶景を味わうことができます。
5)値段
宿泊費は非常に高いです。一階の一番安い部屋でも、13~15万円という価格設定になっています。「アマン」のブランドとそのサービスクオリティを考えれば妥当な価格水準ではありますが、誰でも楽しめるような場所ではない、というのが正直なところです。
なぜアマンが伊勢志摩に進出するのか
今回のアマンの伊勢志摩進出の裏には、三井不動産がいます。世界経済が成熟していく過程で、世界的に余暇をリゾートで過ごすといった需要は増え続けます。今回のアマン日本誘致も、そういった需要に目を付けた三井不動産の戦略の一環でしょう。アマンとしても、日本の増え続けるインバウンドに参入する良い機会となり、今回のアマネムオープンに至りました。
サミット後の観光客減少の懸念は?
基本的に、オリンピックや国際会議等の一時的なイベントに刺激されてホテルや商業施設をオープンすることはナンセンスです。なぜなら、そのイベントが終わってしまうと恒常的な需要を維持することができないからです。しかし、三井不動産とアマンは、伊勢志摩を今後の日本観光の要としていく方針で一致しています。成功するかしないかは、事業なので誰にもわかりません。今後の伊勢志摩の持続的な発展を、祈っていきたいですね。
日本のお家芸であった家電や自動車がかつての勢いを失っていく中、「インバウンド」の需要は日本経済にとって重要なファクターです。上手に活用し、世界に日本文化を発信していきたいですね。
~編集後記~
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