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トランプ氏の当選は株式市場に何をもたらすか?―米大統領選

毎日のようにアメリカ大統領選の話題がネットやテレビを賑わせています。その理由は、やはり「ドナルド・トランプ」でしょう。彼が発言している過激な内容や思考については、常々報道されている通りですが、仮に彼が当選して大統領となることが確実になった場合、株式や為替のマーケットに与える影響はどうでしょうか?本日は、トランプが大統領就任後の金融マーケットについて考えていきます。

 

目次

 

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▽日本株は下落する

メディアで報道されている通り、トランプ氏が日本に対して持っている印象は非常に悪いです。理由として本人の発言を見ると、①安倍さんによる円安誘導、②日本が米国からの輸入製品に課している関税、③日米安保条約の不平等性等が挙げられます。

 

マーケットに影響を与えうるのは、①と②でしょう。とにかくトランプ氏は日本の工業製品がアメリカに輸出され、それが理由でアメリカ企業が疲弊しているとの考えを持つ人物です。トランプ氏が大統領に就任後間違いなく実施されるのが、

 

1)TPPの白紙化

2)関税の増税

 

でしょう。結果として、日本の自動車産業を中心にアメリカへの製品輸出ができなくなり、輸出を中心に稼ぐ日本企業は低迷を強いられるでしょう。特に、北米等での売上比率が高い富士重工業等は、大きいダメージを被るかもしれません。

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▽円高の進行

上記と同様ですが、トランプ氏は日本が不当に自国通貨安へと誘導していて、それがアメリカ企業を疲弊させていると考えています。よって、円安に対して強いけん制をしてくることは間違いありません。

 

日本は輸出国家ですので、為替が円安に振れれば自国の経済は基本的には良くなります。逆に円高に進めば、輸出企業の製品が相対的に割高になるため、製品が売れにくくなり、企業の業績は低迷してしまいます。また、ドル円相場と日経平均は正の相関性を持ちますので、円高になれば、それはすなわち日経平均株価の下落を意味します。

 

 

反対にアメリカの株等はどうなるでしょうか?トランプ氏はアメリカ企業の競争に邪魔な日本企業やその他の外資企業を排除し、アメリカ企業の業績のみを考えるような極端な考えを持っています。「世界経済の共存」などという思想は彼の頭にはないでしょう。よって、短期的にはアメリカ株は上がります。ドルも安くなり、関税などの条件もトランプ氏が無理やりにでもアメリカに有利な条件となるように調整することが想定されるからです。

 

 

以上、トランプ氏とマーケットについてでした。まだトランプ氏が大統領となることが決まったわけではありませんが、その可能性は十分にあります。注意深く見守っていきたいですね。

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