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金融取引の苦情48%増が意味すること|金融ADR調査

金融取引に関する裁判外紛争解決制度(ADR)を通じての2015年度の苦情件数が8499件となり、前年比で48%も増えていることが金融庁の調べで分かりました。これは過去五年間で最多を記録し、金融取引に関わる「手数料目的」の販売に対しての不満が増えていることを意味します。

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当サイトの過去の記事においても多く記載しておりますが、金融機関(銀行、証券会社、保険会社)から勧められる商品で資産運用をすることは本当にナンセンスです。全く意味のないことです。私がかつて、そういった金融機関の内部に在職していたことから、これは自信を持って言い切ることができます。

 

 

まず前提として、銀行も証券会社も保険会社も全て営利企業です。そして、多くは株式会社です。ボランティア団体ではない以上、利益を出し続けなければ会社の存続ができなくなりますし、何より株主が黙ってはいません。これは当たり前のことですが、人々はいつも忘れがちです。「金融機関はボランティア団体ではなく営利企業」このことだけは、必ず頭に入れておきながら、彼らの提案を聞くようにしましょう。

 

 

・金融機関の利益とは何か?

では、どのように彼ら(金融機関)は利益を出すのでしょうか?それは、「手数料収入」です。もちろん銀行や保険会社であれば金利収入等もありますが、昨今の低金利の影響で、金融機関は手数料収入の増収に向けて躍起になっています。

 

例えば、銀行窓口ではこれでもかというくらい生命保険の販売を必死にやっています。なぜ、保険会社でもない銀行が保険を扱っているのか?それはもちろん、儲かるからです。保険会社により詳細の手数料レートは異なりますが、銀行は保険商品を販売すると、その商品や保険料によって定められた手数料を保険会社から受け取ります。銀行では各種生命保険に加え、自動車保険や火災保険も扱っていますよね。それらは全て、「銀行が儲かるから」やっていることです。さらに、銀行や証券会社は投資信託も扱っていますね。投資信託は、今でこそネット証券が普及し、手数料がない(ノーロード)の商品ラインアップも増えてきました。しかし、現場ではまだまだ手数料が高い商品を、実質押し売りしているのが現状です。仮に運用成績が少し良くても、手数料が高いので、結局元本割れしてしまう商品が本当に多いんですね。いったい何のための投資なのか・・・そりゃあ苦情も出てきます。

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また、これも知っておくと良いです。金融機関は、銀行だろうと証券だろうと保険会社だろうと、「実力主義」です。完全歩合制ではないものの、給料や出生は彼らの営業成績に大きく依存します。会社に利益の出る商品を販売すれば、「高い営業成績」が会社から付与されます。分かりやすく言うと、同じ100万円の投資信託でも、より手数料率が高い(=会社が儲かる)ものを顧客に販売すれば、自分の営業成績となるわけです。

 

 

そんなこんなで、会社は上手く従業員をコントロールし、手数料率の高い、顧客のメリットにならない商品をバンバン売りつけています。顧客が最終的に損する可能性が非常に高いことは、彼らも理解しています。ただ、それよりも自分の生活、家族の幸せを考えて稼がなければなりません。赤の他人の幸せを最優先に考える金融機関職員など、本質的には一人もいませんね。

 

 

近年、株の伸び悩みや為替の円高基調、上がらない給料、微増する物価、これらのマイナス要因により、人々のお金に関する見方は非常にシビアになってきています。このような悪徳商法を続けていけば、大手金融機関を中心に、顧客離れが起こることは必須でしょう。

 

 

日本はまだまだ、こういった金融関連の環境は未整備です。この問題点に金融庁が正しく多対処を行い、皆が正しい金融教育を受けることができる社会になれば良いなと思っています。

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