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SAMSUNGはなぜ世界で売れるのか?|職人と商人の違い

私はこの記事を書いている2016年10月現在、フィリピンのマニラにおります。今やフィリピンは人口1億人を突破し、平均年齢も23歳と、世界でも有数のマーケット規模を持つ国となりました。そんなフィリピンの首都、マニラを歩いていると思うのです。

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「日本家電メーカーの看板、全然見かけないなぁ」

 

 

SONYやTOSHIBA、Panasonicなどは、世界でも有数のメーカーのはず。なのに、ここマニラでは広告はおろか、実際の店舗でも海外勢に隠れて、隅の方にひっそりと商品を並べている始末です。ここでは、家電といったら韓国メーカーです。SAMSUNG、LGが店舗の販売製品の大半を占めています。もちろん、街中の広告も韓国勢が圧倒的です。

 

 

実は、この現象は決してフィリピン・マニラのみで起こっている現象ではなく、世界全体で起こっている現象です。商品自体の品質や性能は、間違いなく日本メーカーの方が上回っているはず。ではなぜ、このように世界は韓国メーカーを選ぶのでしょうか?それは、「マーケティング」の違いです。どんなに良いものを作っていても、それが世の中に認知されなければ売れるはずもありません。世の中に認知させるそのプロセスこそが、「マーケティング」です。韓国勢は、この「マーケティング」の分野にとても強いのです。

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日本人は、昔からこのような「マーケティング(=営業活動)」が非常に苦手とされてきました。政府の外交を見ていてもそうです。いつも中国やロシアの顔色を伺いながら外交をしていて、自分たちの領土すらまともに主張できない始末です。最近のニュースで言えば、日本の大手電機メーカーのSHARPが台湾のホンハイ精密工業に買収されるという、信じられない買収劇がありました。SHARPは、その液晶技術のレベルにおいては間違いなく世界のトップクラスであり、本来、台湾の一企業から買収されるような企業ではありませんでした。では、何が足りなかったのか?これもまた、「マーケティング」なのです。SHARPは職人ではあったけれど、商人にはなれなかった。今回の買収元のホンハイは、数年で規模を何倍にも成長させてきた企業です。そのマーケティング力はかなりのもので、そのネットワークを前に、SHARPも提案を受け入れざるを得なかったのでしょう。

 

ここマニラでも、「職人」と「商人」のバランスについて、非常に考えさせられます。日本企業は職人としてのみならず、良い商人としても力を付けてもらい、世界でもっともっと活躍して欲しいものですね。

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