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国際観光旅客税の導入は正しいのか

2019年1月7日から国際観光旅客税の導入が決まりました。日本人を含む全ての国外出国者に対して、一人1000円の課税を行うというものです。政府はこれにより、2019年度に500億円の税収を見込んでいるとのことです。

 

この500億円の新たな税収の使い道ですが、「外国人旅行客のための多言語案内の設置」、「税関の顔認証システムの設置」などに使うとのことですが、冷静に考えればそれらに500億円も必要でないことは分かります。そもそも、外国人観光客は現地点で政府の当初の目標を大幅に上回るスピードで増加していて、それによる間接的な税収も増えています(外国人が日本国内で消費するほとんどの商品・サービスに掛る消費税、観光産業で潤うホテルや旅行業などからの法人税など)。今回の税収の使用目的が多言語案内版や顔認証システムなど、「主に外国人旅行客向け」のものであれば、既に得ている観光関連からの税収で賄うというのがあるべき姿です。既存の観光関連の税収の使用内訳などには一切触れずに、様々なニュースに紛れてしれっと新たな税制を導入する自民党はさすがといったところでしょう。

 

個人的には、今回の新たな税制の導入には大きく反対であり、まずは既存の歳入と歳出を再度見直し、なるべく少ない収入で効率的に政府を運営できるように、もっと議論を重ねるべきだったと思います。決して極端に難しいことではなく、民間の企業では当たり前に行われていることです。

 

そもそも、導入するにしても、目的が外国人観光客のためなら、日本人は対象外にして、外国人観光客からのみ徴収、ということも選択肢としてあったはずです。実際に、諸外国ではこのように自国民と外国人で価格や税金を変えているところは多くあります。

 

たまには、税金負担が減るとか、社会保険料が安くなるとか、良いニュースを聞きたいものですね。

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