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事業へ投資する際のポイント|いくつもの事業へ投資し、失敗し、学んだこと

私はいくつかの肩書きを持っていますが、そのうちの一つに「個人投資家」というものがあります。個人投資家として、これまで様々なビジネスを自分の目で見て来ました。そして、いくつかの事業には実際に出資を行い、そのほとんどが失敗に終わってしまいました。ここでは、その数多くの失敗から学んだ、投資を決める際に必ず確認しなければならない事項を公開します。私が失敗した際にこまめにノートに書き留めて来た、貴重な情報です。投資で失敗する人が一人でも少なくなれば、との想いで公開に至りました。読者のみなさんのお役に立てれば幸いです。

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【事業投資の際の投資バイブル11】

下記の事項をクリアしていない事業者に対しては出資をしない。難しいことを言っているように感じるが、逆に言えば、この程度は出来ていないと出資したところで事業に成功はない。事業は思っている以上に難しいものであり、その認識は欠いてはいけない。

尚、下記事項はあくまでベンチャー企業へのエンジェル、私募出資等の形態での投資を想定しており、上場企業等への投資を想定したものではない。



1, 会社のブレーンが50代以上のみの場合は例外なく投資してはいけない。50代で不特定多数の個人投資家から資金調達しようとしてる地点で実力が不足している(お金を使うのが下手)。まともな人間なら第三者まで頼らずともこれまで築いた人脈があるはず。また、単純に50超えると動きが鈍い。



2, 資金の管理スキームの確実性(経理の確認)を確認する。誰がどのように、どこで、どのようなシステムを使って管理しているのか?法人口座か?ネットバンクはあるか?セキュリティは確認したか?それらの確認を拒むようであれば、その事業には投資してはいけない。



3, マーケットを見る、プロダクトを見る、人格を見る、これだけではダメ。多額の投資資金を運用、管理できるだけの経営陣の「会計能力」をよく見る。すなわち、数字に強い人物が経営陣にいなければいけない。それは税理士等が行う単純な経理ではなく、CFOの動きができる人間でなければいけない。キャッシュフローシートなどを作らせてみれば実力が分かる。会社で使用しているエクセルシートなどは必ず確認する。月次の決算書、事業別、商品別の売上管理、現金出納表など。どんぶり勘定に問題意識を持たない経営者は必ず失敗する。会計能力のない会社には、投資はしてはいけない。

 


4, 経営層の言うことに軸はあるか?コロコロ言うことが変わらないか?将来的にどの程度の規模を目指すのか把握しているか?これらがNoであれば、投資はしてはいけない。

 


5, プロジェクトスケジュールを言えるか?それは書面で準備されているか?特にマーケティングのスケジュールは重要な点である。口だけで説明をして来て、紙を出してこない経営者に対しては、投資はしてはいけない。

 


6, 資金管理の方法(他の店舗や事業に使われないように分別管理をすることを受け入れるか?)1つの銀行口座でごちゃまぜ管理している経営者には、投資をしてはいけない。

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7, 経営者または事業の管理者が、事業の正確な利益額のこと、経理のこと、売上のことを把握しているか?それをデータを持って説明できるか?口頭だけで説明はNG。口頭でしか説明せずデータが出てこなかったり、そもそも売上や利益のことを把握していない経営者には投資をしてはいけない。

 


8, 想定するリスクをしっかり示せるか?その場合の対処方法、その場合のシミュレーションは言えるか?口頭だけでなく、緊急時のキャッシュフローシートなど作成されているか?リスクを軽視して、有事の際の対策をしていない経営者には、投資はしてはいけない。

 


9, 現在既に会社が抱えている借金や、従業員の負債などを無理して補填しているなど、行なっていないか?これについては確認が難しいため、別会社を立ち上げてプロジェクトを行うのが理想。もしくは、既存の負債については一切責任を持たない旨、契約書に明記した上でスタート。

 


10, 投資を受け入れる地点で、ある意味自分だけの会社でなくなる。今話をしている代表者だけでなく、その関係者、家族経営ならその家族が、それを理解し、受け入れる覚悟があるか。自分の会社じゃないということは、自由に金が使えなくなるし、給料も自分だけで決められなくなるということ。それに合意を得られなければ、その会社に投資をしてはいけない。

 


11, インターネットでプロジェクトの主要人物の名前を検索し、情報を取る。悪い噂が立っていれば、その人物に投資してはいけない。

 

 

以上、皆さんの抱えるプロジェクトと照らし合わせてどうだろうか?もちろん、上記11項目全て満たしていても失敗するビジネスはあるし、逆に満たしていなくても成功するものもあるでしょう。しかし、私の今までの経験上、上記11項目をしっかりとクリアできていれば、失敗の確率は格段に下げられると思っています。後悔しない投資ができるように、ぜひ参考にしてみてください。

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