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日本の保険会社による海外企業の買収

 

2015年10月28日、日本生命がオーストラリア銀行の保険事業を2040億円で買収すると発表しました。

 

 

 

 

近年、このような日系生命保険会社、損害保険会社の海外企業買収が急速に加速しています。

 

 

 

 

 

彼らが積極的に海外進出している理由は大きく2つあります。

 

 

 

 

1つ目は、生命保険、損害保険ともに、少子高齢化、人口減少、経済低迷から抜け出せない国内において事業を成長させることは不可能であり、海外へ活路を見出すしかない、という状態です。

 

 

 

 

これは、どの産業でも同じですね。特に生命保険は、人の生命に保険を掛けるものですから、人口減少で人が減れば、それだけ契約が減り、ダメージは大きくなります。損害保険は人ではなく「モノ」や「経済活動」に掛ける保険なので、人口減少や少子高齢化というよりは、「経済低迷」による影響が大きい分野です。

 

 

 

 

なので、生損保は今後人口成長や経済発展が見込める国、もしくは現在の良い状況が長く続きそうな国を選定して、資本を投下していきます。

 

 

 

 

 

2つ目の理由は、「国内における運用先がなくなった」からです。

 

 

 

 

 

生命保険会社も損害保険会社も、日本政府より、国債を一定量購入するように実質的に義務付けられています。

 

 

 

 

しかし、現在の国債利回りはもはやマイナス。買えば、元本以下になることが確実な商品となっています。普通に考えれば、こんな負けが確定している商品誰も買わないのですが、金融とは不思議なもので、様々な理由で買っていく人がいるようです。笑 ここではその理由は省略します。

 

 

 

 

 

要は、生保も損保も、顧客から集めた保険料を運用して利益を出していかないといけないのですが、その運用先がないのです。

 

 

 

 

 

じゃあ株を買うか?不動産を買うか?という議論になりますが、どちらもハイリスクです。となると、余ったお金、集めたお金をどうするか?どこで運用するか?その答えの一つが、海外企業のM&Aなのですね。

 

 

 

 

ちなみに、ある企業が海外へ進出する場合、

 

 

 

 

①海外でも自社の名前を使って営業していくか

 

②現地企業を買収して、その現地企業の社名で営業していくか

(この場合、その企業の人材やノウハウも活用)

 

 

 

 

 

のどちらかを選択する形になります。例えば、日本には米国資本のア〇ラックという会社ありますね。あの会社は、①の選択肢を採用しました。また、別の会社で富〇火災、富〇生命という会社があります。どう見ても日本の会社ですが(漢字ですし)、実は「外資」です。HPを見れば分かりますが、AIGグループなんですね。これが、②の選択肢を採用した場合になります。

 

 

 

 

日本の保険会社が、そのまま海外に行っても

 

 

 

 

「何その怪しい会社?」

 

「社名が発音しにくいな」

 

 

 

となってしまうので、こうやってお金をかけてでも、多くの保険会社は現地の企業を買収して、現地ビジネスへの参入障壁を取り除いているんですね。とても効率的な事業投資だと思います。

 

 

 

 

 

それにしても本当に、国内のこの低金利の状況は困ったものですね。こんな低金利時代に私たちがメリットを享受できることは、今のうちに銀行から融資を引いておくことです(私はすでに~千万引っ張って不動産を購入しました笑)。今は、日本の歴史史上最もお金を借りる人に有利な環境です。こういったチャンスはもう二度と訪れない可能性もあります。正しい金融リテラシーを持って、状況を正しく判断し、行動していきたいですね!