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Financial Academia

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<就活>損保への就職ってどうなの?ブラックって本当?

目次

毎年、就職活動をしている大学生向けに「就職ランキング」なるものが出版されます。その中で、必ず上位にランクインするのが、損害保険会社ですね。TN社、SJNK社、MS社の上位3社です。

 

なぜ「損保」という決してメジャーではない業種がそこまで学生に人気があるのか、非常に不思議ではありますが、やはり「金融」という輝かしい業界の一角を担っているからでしょうか。 

 

私は新卒で某大手損保に入社し、6年間勤めました。知られざる損害保険会社の内部事情や体質、実体験等、本日は就活生のために記載していきたいと思います。損保を志望している方、内定を貰った方、他の企業と迷っている方など、ぜひ参考にしてみてください。

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結論から言うと、損保会社への就職はナシです。まだ間に合うのであれば、他の就職先を探したほうが良いでしょう。

 

 

まず事実として損害保険会社のメリットは、

 

 

【メリット】 

1)給料が高い

→大手損保では、30歳で800万、35歳で1,000万、40歳で1300万くらい貰えます。

 

2)社会的な信用が大きい

→家族や親戚、周りの友人からは羨ましがられます。CMもやっているし、様々なイベントでスポンサーにもなっているので、「大きい会社に勤めたんだな」という実感を得られます。

 

3)合コンでモテる

→給料が高いので、女性に対しての印象は良いです。

 

4)同期が多い

→良くも悪くもですが、同期入社がそれなりに多いので、仲良くなればとても楽しいです。大きなサークル感覚ですね。

 

5)色々な業界を見れる

→良くも悪くも損害保険会社は常に「サブ」です。どんな場面でも、メインが他にあります。すなわち、保険だけでビジネスは成り立ちません。メインとなる事業があって始めて、保険が必要になるのです。それは逆に言えば、どんな業種にも保険は必要ということです。アパレル、飲食、ホテル、メーカー等、どんなビジネスにも保険は必ず関わります。就職すると、配属部署に大きく依存しますが、様々な業界に関わることができるでしょう。

 

 

 

以上5つが損害保険会社のメリットです。とても良い会社に思えてきますね。しかし、良いことばかりではありません。下記にデメリットを記載します。

 

 

【デメリット】 

1)なぜかビジネス上の立場は最下位

→上記のメリットの部分で、社会的地位が高い、と書きました。しかし、実際のビジネスにおいては、社会的地位など関係ありません。保険会社は、「お客様に選んでもらう側」です。どこまでいっても、この本質は変わりません。なぜなら、日本の損保会社の商品と保険料が横並び(差がない)だから。だから、顧客がどこの保険会社を選ぶかは、「どこの保険会社が一番自分に良くしてくれるか」に依存します。分かりやすくいうと、「ペコペコと頭を下げ続けなければ、お客様に選んで貰えない」のです。

 

 

一般的には、銀行も同じ立場です。メガバンクから借りようが、地銀から借りようが、100万円は同じ100万円です。若干金利が違うだけですね。だから、銀行としてはペコぺこ頭を下げて、何とかお願いして自分の銀行を選んでもらうしかありません。商品に差がないのですから、仕方ないですよね。そんな銀行にも頭を下げないといけないのが、損保会社です。銀行でも損保会社の火災保険とか扱っていますから、損保会社にとってはお客様。どこまでいってもペコペコしないといけないのが損保業界です。

 

 

余談ですが、これにまつわる面白い話があります。新年の仕事始め、損保会社は役員や部長、課長総出であいさつ回りに出かけます。主要な取引先に対して、ひたすら新年の挨拶巡りをするのです。ここで驚くのが、「誰も損保会社には挨拶に来ない」という事実です。いつも損保会社は、挨拶に「行く」側です。ビジネス上の立場が低すぎるので、誰も損保に挨拶になんか来やしません。もちろん、損保は銀行にも年初の挨拶に行っています。

 

 

2)自腹、とにかく自腹

→とにかく自腹が多いです。有名な話ですが、配属初日に車のパンフレットを渡されて、速攻で300万円の新車を買わされます。わずか入社1ヶ月以内です。信じられませんか?もちろん配属先の部署に寄りますが、事実です。私がそうだったので。

 

 

イラッとしてしまうのが、損保会社は腐っても金融機関なので、グループ会社にファイナンスの会社を抱えています。要は、銀行に行かなくても社内でお金を借りることができるわけです。通常、入社1ヶ月の信用の無い社員に300万円も貸し付ける金融機関などありませんが、自腹で払わせるために、自社内のファイナンス会社では審査基準を緩くしているんですね。

 

 

え?何のために自腹で車を買うかって?

 

 

 

それは自動車ディーラーへのアピールのためです。①で説明したように、損保会社はどこに行ってもペコペコします。日本の損保会社の保険料収入の半分は自動車保険で、その自動車保険を一番売ってくれているのが自動車ディーラーです。なので、損保会社の自動車ディーラーに対してのペコペコぶりはハンパじゃありません。自動車営業部と呼ばれる、ディーラーのみを担当する専門部署がある程です。そうやって社員に自腹でどんどん車を買わせて、

 

 

「当社はあなたたちのために社員一丸で頑張っています!」

 

 

とアピールするわけです。他にもこういった、所謂「自爆営業」と呼ばれるやり方をしている会社はあると思いますが、本当にそういう会社には入社しない方がいいです。自爆なぞしたところで自分の人生に何のメリットも生まれませんし、冷静に考えてそれは企業としてやってはいけないことです。自爆が多すぎて家計の支出が悪化し、それが原因で離婚にまで至ったケースをいくつか知っています。それくらい過激です。今は昔よりマシになりました(生保の自爆営業ができなくなったので)が、まだまだそういった文化は残っています。会社とはあくまで「自分の人生を輝かせるためのツール」に過ぎません。会社のために、そこまでする必要はないのです。

 

 

 

「でも車だったらどうせ乗るし、好きな車種も買えるし!」

 

 

 

と思っているそこのあなた、甘いです。まず、東京を始めとする一都三県のように、明らかに車が必要ないような地域でも問答無用です。しかも、だいたいは車検を通すことなく車を買い替えさせられます。何年経っても常に、毎月ローンの返済に追われる生活を送るのです。

※車検は新車の場合3年です。

 

 

 

あと、好きな車種なんて乗れないです。まず、メーカーは100%指定されます。会社の各部署毎に、力を入れている自動車ディーラーは異なりますが、要は会社都合でメーカーを指定されるんです。「BMWに乗るのが夢!」なんてのは関係ありません。「会社の都合」で全てが決まります。最悪の場合、自動車ディーラーで売れ残った、人気のない在庫車を購入させられます。自動車ディーラーのために、自腹を切って「在庫処分」してあげる(=自動車ディーラーの業績に貢献する)わけです。

 

 

 

「うぅ・・・でもまぁ車だけなら何とか我慢できるかな・・・」

 

 

 

と思っているそこのあなた、まだ甘いです。損保会社の自腹は自動車だけに留まりません。他にもスーツ、お節、家電、食料、ケータイ、弁当等、ありとあらゆるものを年中購入させられます。これも、仕組みとしては自動車ディーラーと同じです。メリットの項目に、損保は全ての業界と付き合いがあると記載しましたが、これが裏目に出る形ですね。幅広い業界の幅広い商品を、強制的に買わされます。社内で良く聞くのは、「一人暮らしなのに在庫のクリスマスケーキをホールで3個買った」とか、「ケータイの満期が来ていないのに切り替えたとか」、もはや「ケータイを3つもっている」とか、本当くだらないことだらけです。個人的に一番頭にきたのは、カーナビが付いた車を購入させられた挙句、その後取り付け型のカーナビを単品で購入させられたことです。カーナビは2つも必要ありません。

 

 

 

「いや、俺はそんなくだらないことには屈しない」

 

 

 

と強い思いを思っているそこのあなた、意気込みは素晴らしいですが、まだまだ甘いです。

 

 

 

損保会社で車を買わないというのは、例えるなら「キリスト教の信者の目の前で十字架を踏むこと(踏み絵)」と同義です。私の同期で車を買わなかった人は、会社を辞めろと上司から言われていました。そんな毎日に耐えられますか?

 

 

 

とまぁこんな感じで、自腹(実質的には自爆営業)が非常に多いです。メリットの1つでもある「給与」が簡単に吹き飛んでしまいますね。

 

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3)スキルが身に付かない

「損保の人間はつぶしが効かない」とは転職市場ではよく言われたものです。上記を見て分かるように、損保会社の仕事はそんな高度ではありません。基本的にはお客様のご機嫌伺です。新入社員も、40歳のベテラン社員も、やっていることに大差はありません。基本的には、みんなペコペコしてるだけ。 

 

 

そのため、もしも将来あなたが転職しようとした時、何もアピールできる力がないのです。そりゃ同じ金融でも、毎日決算書や企業の事業計画書を見ている銀行員の友達と差が出てくるのは当然ですよね。

 

 

4)社員のレベルが低い

→大した仕事が損保にはないので、何年もそんなことをやっていてはビジネスマンとしてのレベルが落ちるのは当然です。彼らは、「どうやって社内で出世するか」、すなわち社内のゴマスリしか考えていないので、居酒屋にいってもいつも「どこどこの部長が~」とか「今度来る課長って~」とかそんな社内の人事の話ばかり。あとは女性社員の悪口とか、ゴルフの話とかですね。

 

 

要は、全く世の中の出来事に関心を持たなくなるんです。彼らは社内でさえ生き残れば良いわけですし、顧客にもペコぺこしてお願い営業していればとりあえずは仕事はこなせますから、社会の動き、経済の動きに本当に無知になります。同じ金融でも、銀行や証券会社、そして生命保険は違います。彼らは扱う商品が非常に経済との関連性が高いので、しっかりと朝礼で日経新聞の情報共有をしたり、株や為替、債券、不動産等マーケットへの情報に精通しています。損保社員で、そういった話についてこれる人は、私がいた頃は10人中1人いればよい方でした。

 

 

そんな人たちと時間を共にしていたら、自分のレベルもどんどん落ちます。自分のレベルは、自分が置かれている環境で変わるからです。向上心がある人にとって、損保の社内は本当に居心地の悪いものとなるでしょう。

 

 

ご存知の通り、損保の社員は入社時は皆、有名大学出身のエリートです。悪くてもG-MARCHレベルです。せっかく頭が良いのに、そんなレベルの話しかできなくなってしまうのは、本当に悲しいことです。

 

 

5)土日もケータイがガンガン鳴ります

→「保険会社は金融機関だから、土日祝日は休みでしょ?」

 

 

はい、それは夢物語です。もし入社すれば、あなたは会社用のケータイを手渡されます。そしてそれは、土日も持っているように強制されます。いざ土日になると、お客様(正確には代理店)からガンガン電話が鳴るわけです。朝の目覚ましが代理店からの電話だったことも何度もあります。

 

 

「あれがわからない、これがわからない」

 

 

その応対に、何時間も取られることもあります。

 

 

面白い話があります。私は海外旅行が趣味なのですが、ある長期休暇に海外旅行を計画していました。しかし出発の直前、担当する代理店でトラブルが発生してしまい、これ以上のマイナスを避けたいということから、休み中の電話も絶対出ろ、と上司より指示がありました。海外に行ってしまうとお客様からの電話に出れませんので、海外旅行は止む無くキャンセルするしかありませんでした。もちろん、キャンセル料は自腹です。

 

 

6)酒とゴルフは必須

→損保社員の得意技は酒とゴルフです。なぜなら、お客様の接待で毎回やっているからです。

 

 

私はゴルフがあまり上手でなく、「ゴルフは仕事だぞ」といつも怒られていました。ゴルフをして酒を飲むために、勉強して良い大学に入って、損保に就職したわけではないのですが・・・

 

 

お酒とゴルフが嫌いな人にとっては、とても地獄のような日々となるでしょう。仮にそれらが好きだったとしても、それを続けることによって身に付くスキルはありません。

 

 

 【まとめ】

ざっと書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?

 

 

念のため言っておきますが、上記の話に嘘や盛った話は一切ありません。 自爆の話とかは、OB訪問の際に聞いてみてください。多分歯切れの悪い反応をすると思います。学生にそんなこと話せませんからね。

 

もちろん、損保会社大手は各社2万人近い社員を抱えている大企業です。あなたがどこに配属されるかで、上記の結果になることも、反対にならないことも十分にあり得ます。また、女性社員は上記のことはほとんど関係ありませんのでご安心ください。

 

 

最近の就活雑誌を見ていると、数年前と比べて損保のページが少なくなってきています。損保の特集など、以前はあったのですが、最近は見ることがなくなりました。やはりこういった昭和スタイルの会社は今には適さないということなのでしょうか。

 

 

こういったリアルな現状はセミナーでは一切話されません。学生にとって、自分の人生を左右する重要な判断をするわけですから、こういったリアルも伝えていくべきだと私は思っています。とは言え、なかなかネットにも情報はありませんので、リアルを知りたい人はOB,OG訪問が現実的かもしれません。本記事が就職活動や転職活動のための情報の一つとなれば幸いです。

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