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マイナス利回りの国債 誰が買う?どうして買うの?

2016年1月29日、日本銀行が歴史上初めてマイナス金利の導入を決定しました。これにより、政策金利を始め、市場金利が下落しています。日本国債においても利回りは低下しており、マイナス利回りとなりましあた。利回りがマイナスになるということは、「買えば間違いなく元本割れする」ということです。なぜこのような商品が出てくるのか、そしてなぜこのような商品を買う人が出てくるのか、本日はこれをテーマに考えていきます。

 

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目次

 マイナス利回りの国債って買う意味あるの?

 

「マイナスの利回りの国債なんて誰が買うんですか?買えば100%損する商品ってことですよね?」

 

最近はこのような質問が非常に多く寄せられます。 確かに、マイナス利回りの商品買ってどうするの?という疑問はありますよね。結論から言うと、マイナスの利回りを買うことのメリットはあります。100%損するわけではありません。

 

 

 

利回りでは損するが、売買益が狙える

国債は、満期まで保有すれば、購入価格がそのまま償還されます(=価格変動リスクがない)。反対に、満期まで保有せずに、期の途中で売却することも可能です。その場合は、価格変動リスクが伴います。

 

国債の価格の動きは、金利によって決まります。金利が上昇すれば国債価格は下落し、金利が下落すれば国債価格は上昇します。これは仕組みを考えれば容易に理解できます。わからない方は、下記を参照してみてください。

 

 

<金利上昇時の国債価格について考える>

例えば、あなたが100円で年利10%の国債を購入したとします。これはすなわち、100円の投資で10円を受け取ることができるチケットを持っていることを意味します。さて、ここで市場金利が上昇し、国債の利回りが年利20%になったとしましょう。すると、100円の投資で20円を受け取ることができるチケットが、その時の市場参加者は買えることになります。この場合、あなたが持っている100円で年利10%のチケットは、あなたが売りたいと思っていても、誰も買いません。市場にはさらに良い商品が存在するからです。となると、どうやったら売れるのか?そうです、価格を下げるしかありません。具体的には、市場で出回っている100円で20円の利息が受け取れる商品と同じ利回りになる水準にまで価格は落ちます。すなわち、国債の価格は100円→50円に下落するのです。逆の場合もまた然りですね。

 

 

よって、今後、将来的に金利がさらに下がるのであれば、国債を買うことによりその売買益を狙うことができます。これが、国債の利回りがマイナスでも、国債を購入する理由の1つです。

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「国債を買う」と約束してしまった人がいる

国債の利回りがたとえマイナスになっても、国債を買わなければならない人がいます。それは、「投資信託」です。例えば債券に特化したポートフォリオを組む投資信託は、「投資目論見書(=投資信託の取り扱い説明書のようなもの)」に、債券を購入し運用していく旨の記載がしっかりとされています。投資目論見書に書いていない運用をして失敗してしまっては、投資家に説明がつきませんから、例え利回りがマイナスになったとしても、当初の約束通り、投資信託のファンドマネージャーは国債を買い続けるのです。

 

 

以上2つが、マイナス運用であるにもかかわらず国債が買われる理由です。ご理解いただけたでしょうか?正しく経済の流れを把握し、着実な運用を図っていきましょう。

 

~編集後記~

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