金(ゴールド)やプラチナの価格がドル相場に影響されるのはなぜ?
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昨今の世界の株式相場や為替相場の大きなボラティリティーにより、金(ゴールド)やプラチナなどの現物資産への注目度が高まっています。金やプラチナの相場を見たり、投資対象として検討するのであれば、必ずチェックしておかなければならないのが、「ドル相場」です。
結論から言うと、金やプラチナの価格はドル相場に影響されます。それは、金やプラチナが「1オンスあたり〇〇ドル」というように、ドル建てで換算されるからです。
文章では理解がしにくいと思いますので、下記に簡単に計算例を載せます。
※便宜上、金1オンス=1000ドルにてレートを固定して計算します。
事例1)1ドル=100円の場合
1ドル=100円の場合の金の円建て価格を考えてみましょう。1オンスあたり1000ドルですので、計算式は
1000ドル×100=100,000円
となり、1オンスあたりの金の円建て価格は10万円となります。
事例2)1ドル=80円(ドル安が進んだ)の場合
1ドル=80円の場合の金の円建て価格を考えてみましょう。1オンスあたり1000ドルですので、計算式は
1000ドル×80=80,000円
となり、1オンスあたりの金の円建て価格は8万円となります。
事例3)1ドル=120円(ドル高が進んだ)の場合
1ドル=120円の場合の金の円建て価格を考えてみましょう。1オンスあたり1000ドルですので、計算式は
1000ドル×120=120,000円
となり、1オンスあたりの金の円建て価格は12万円となります。
まとめ
上記の結果の通りですが、
<ドル安>=金は安くなる=割安感から買い手がつく=価格上昇
<ドル高>=金は高くなる=割高感から買い手がつかない=価格下落
となります。ドル安になると金は割安になるため、その割安感から購入されやすくなります。その結果として金価格は上昇していきます。その逆もしかりです。
事実、昨今のマーケットの大きな下落にもかかわらず金相場が上昇しないのは、ドル高が原因です。ドルインデックスが過去数年に渡り25%ほど上昇しているため、金価格自体に割高感があります。現在のドル高トレンドは終わりに近づいていると予測されており、今後ドル安トレンドになることがあれば、金の相場も下がることでしょう。
金に限らずどんな銘柄でも同じですが、その銘柄だけを見ていても相場は読めません。日経平均だけでなく、NYダウやドイツDAX、上海株を見る必要がありますし、ドル円を取引するならユーロドルや、その他のクロス円、クロスドルの組み合わせを見る必要があります。相場を幅広く分析して、正しい読み方ができるようになりましょう。