メットライフ生命|外貨積立保険の積立利率はウソ?
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アベノミクスでの円安の進行により、日本円建てのみでの資産形成について危機感を持つ方が増えています。将来的に訪れる更なる円安に備え、米ドルやユーロ、豪ドル等の外貨を保有したいというニーズは、年々増えているのが現状です。
外貨を保有するためには様々な手段がありますが、その中でも「生命保険」を活用した外貨保有方法は効果的です。理由は、その高い利回りや効率性にあります。これについては、当サイトの過去の記事でも触れました。
外貨建て生命保険運用は有効か? - Financial Academia
次に考えなければならないのは、「どこの保険会社の商品が最も利益が出るか?」ということです。結論から言うと、私が調べている限りマニュライフ生命になりますが、「メットライフ生命ではないのか?」という意見が最近多いので、その質問にお答えします。現在メットライフの外貨積立を契約している方や、検討している方は必見です。
1)最低積立利率「3%」の罠
※下記の「外貨積立」は全て「米ドル積み立て」を意味します。
メットライフ生命の積立利率が良いとされる理由は、パンフレットに記載されている「最低積立利率3%」という文言が理由です。マニュライフの積立利率が2016年3月地点で年利2.7%だったのに対し、メットライフは年利3%を最低保証しています。表面上、メットライフが運用利回りで上回っているように見えてしまいますね。しかしこれはメットライフの営業戦略であり、実質的な積立利率は3%ではないのです。
2)保険関係費とは?
実質的な積立利率は、表面利率から「保険関係費」というものを差し引いて割り出します。
計算式:実質積立利率=表面積立利率ー保険関係費
保険関係費とは、顧客の契約の保全に必要な費用を指します。顧客のデータの管理・保護に必要なシステム費、実際の契約事務を行うための人件費、預かった保険料を運用するための手数料等、顧客の利益から差し引かれる費用はどこの保険会社においても一定存在します。メットライフ生命は、この保険関係費を他社よりも割高に設定しています。見た目の利率は良くても、そこから差し引かれるものが多いのです。
3)実質的な積立利率は約1.5%ほど
例えば、34歳男性、月払い保険料360ドル、保険金額10万ドル、積立利率3%のケースを想定すると、20年後の解約辺捩率は117.1%となります。
毎月360ドルを複利運用を行いながら20年間積立てて、17.1%のリターンが得られる利回りを逆算すると、「1.54%」が正解となります。表面積立利率の3%と比べると、約半分です。これが現実であり、表面的な3%は何も意味を持たないことがわかります。
これに対してマニュライフは、保険関係費用を差し引いても2.1%ほどになります。
4)まとめ
いかがでしたでしょうか?保険会社に限らず、表面的な数字ばかりよく見せて、中身が伴っていない商品は多く存在します。外貨積立保険で言えば、積立利率はあくまで表面利率と保険関係費の2つを考慮して考える必要があり、どちらか一方だけで商品を判断することはナンセンスです。惑わされることなく、賢く商品選択をしていくよう心がけましょう。
~編集後記~
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